ー そらいろ Berry Farm の考え方と実践 ー

◆農園という場について
そらいろ Berry Farm は、
ベリーを育てる農園であると同時に、
自然と人との関係を、実際の風景の中で感じてもらうための場所でもあります。
ここでは、「こうあるべき」という正解を示すことよりも、
その時、その場所で起きていることに目を向けることを大切にしています。
畑に立ち、風を感じ、土に触れ、季節の変化を体で受け取る。
そんな時間そのものが、何かを考えるきっかけになると考えています。
◆自然の仕組みに学びながら、手を入れる
正直に言うと、ここまでの道のりは、決して順風満帆ではありませんでした。
特に栽培の面では、思うようにいかなかったことや、
失敗したことの方が多かったかもしれません。
3歩進んだと思ったら、気づけば2歩下がっている。
そんなことを何度も繰り返しながら、今の農園があります。
それでも、うまくいかなかった理由を考え、また別のやり方を試し、少しずつ前に進んできました。
これから先も、すべてがうまくいくとは思っていません。
だからこそ、この農園での挑戦や失敗も含めて、誰かの気づきや学びにつながっていくような、
開かれた場所でありたいと考えています。
私たちが農園づくりで大切にしているのは、自然を完全に管理することではなく、
自然の仕組みをよく観察し、その流れをできるだけ邪魔しないように関わることです。
天候や土の状態、植物の育ち方は、毎年同じではありません。
その違いに合わせて、手の入れ方を少しずつ調整していきます。

 

農園もまた、固定された完成形ではなく、変化し続ける存在だと考えています。
◆この農園で起きている、いくつかのこと
そらいろ Berry Farm では、農薬や化学肥料に頼らず、
土の中の環境から整えていくことを基本にしています。
剪定で出た枝は燃やさずに炭にし、土に戻すことで、炭素を固定し、微生物のすみかとしても活かしています。
また、ベリーだけを育てるのではなく、ハーブや草花など、販売を目的としない植物も多く植えています。
植物の組み合わせを工夫することで、害虫の密度を抑えたり、一年を通して花が途切れない環境をつくり、
ミツバチなどの訪花昆虫が訪れやすい農園を目指しています。
土の中の微生物から、植物、昆虫まで。

 

さまざまな生きものが、それぞれの役割を持って関わり合う環境を、日々試行錯誤しながら育てています。
◆みんなと一緒に、試してきたこと
この農園は、完成された場所としてではなく、
そのとき集まった人たちと一緒に、何かを試してみる場としても使われてきました。
これまでには、畑の一角でヘチマを育て、ヘチマたわしを作ったり、次にどうつなげるかを考えたり、
ベリーとアロマを組み合わせ、植物の香りや効能を感じる時間をつくったこともあります。
また、ベリー摘みを入口に、トークセン(タイ古式整体)の音や振動を通して、
体と自然とのつながりを感じるような時間が生まれたこともありました。
どれも、大きな計画が先にあったわけではなく、
「こんなことができたら面白そう」
という声から始まった、小さな試みです。
そうした積み重ねが、この農園に少しずつ厚みを与えてきました。
◆小さな循環を、形にしてみる
こうした経験を通して見えてきたのは、
ひとつの作物や、ひとつの体験だけで完結させるのではなく、
人・植物・時間がゆるやかにつながることで、
場がより豊かになっていくという感覚でした。
いま考えている「小さな循環農園」は、
そうした気づきを農園の中に少しずつ形として落とし込んでいく試みです。
まだ設計図が完成しているわけでも、正解が見えているわけでもありません。
これまでと同じように、みんなで一緒に試し、考え、

 

必要に応じて形を変えながら、育てていくつもりです。
◆畑の時間だけではない、農園の過ごし方
この場所では、
畑で過ごす時間とは少し違うかたちで、農園が使われることもあります。
夕暮れから夜にかけて、自然の中で何かを見たり、感じたり、
言葉にしないまま持ち帰るような時間。
日常から少し距離を置き、静かに立ち止まることで、
見えてくるものがあると感じています。
農園の外へ、つながる活動
農園で感じたことや気づきは、農園の中だけにとどまるものではありません。
自然環境や暮らしについて考える場を、
農園の外でも、さまざまな人と共有する活動を行っています。
立場や専門分野の違いを超えて、
それぞれの視点を持ち寄りながら、

 

未来について考えるきっかけをつくっています。
◆ベリーから始まる、いろいろな入口
そらいろ Berry Farm は、
ベリーをきっかけに、それぞれが自分なりの入口を見つけられる場所でありたいと考えています。
畑に立つこと。
実を摘むこと。
話すこと。
ただ、感じること。
どこから関わってもかまいません。

 

この場所が、それぞれにとっての小さな起点になれば嬉しいです。